共感という名の引力に惹かれて
「強く、そして繊細」数年前、MIESROHEのディレクターである坂上は、アーティスト・中井波花氏の作品と出会い、心を奪われた。精悍な面持ちの中に香る儚さ。圧倒的な存在感に宿る軽やかさ。そんな不思議な振れ幅を纏ったアートピースを眺めているうちに、ふと、MIESROHEが追求する女性像と重なった。強い芯を持ちながら、たおやかであること。時代に敏感でありながら、必要以上に着ることを主張しないこと。肩肘を張って社会を生きぬく緊張感のあるスーツではなく、しなやかなシルエットを纏うこと。芸術とファッションという異分野でありながら、どこか親和性を感じずにはいられない。そう感じた坂上は、金沢にある中井氏のアトリエへと向かった。